山崎光春のテックユニバース

このブログでは最新のテクノロジーやデバイスなど、テクノロジーとライフスタイルの交差点について共有していきます。

ビジネス志向で異彩放った『マイコンライフ』の歩み 山崎光春

ビジネス志向で異彩放った『マイコンライフ』の歩み

こんにちは!山崎光春です。

1980年代、日本ではさまざまなマイコン・パソコン雑誌が登場し、個人が趣味としてコンピューターを楽しむ文化が広がっていた。その中で1981年9月に創刊された学研の『マイコンライフ』は、他誌とは一線を画す存在だった。創刊当初のキャッチコピーは「ビジネス革命の新時代を拓く」。その言葉通り、同誌は“パソコンを仕事でどう生かすか”という視点を重視し、ビジネスマン層を主な読者としていた。内容も財務管理など実用的なプログラムを多く掲載し、写真や派手なデザインよりも文章中心の硬派な誌面構成だった。

また、ソフトバンク孫正義氏を交えた対談記事が載るなど、当時としては先進的なアプローチを取っていた点も特徴だ。一方で、息抜き的にBASICで動作する簡単なゲームや、漫画家はらたいら氏の「パソコンくん」が連載されるなど、軽妙な要素もあった。

1983年以降になるとパソコンの普及が進み、同誌も初心者向け記事を増やして方向転換。やがてゲームプログラムページも拡充され、誌面の雰囲気は次第に柔らいでいった。しかしビジネス誌とエンタメ誌の中間的な立ち位置に揺れ、1985年5月号のリニューアルを経て方向性が曖昧となり、同年12月発売の1986年1月号で休刊となる。

定価は創刊時480円から最終的に550円へと推移し、他誌と比べても標準的な価格だった。当時発売されていた全パソコンの機種リストを掲載するなど、資料的価値も高かった『マイコンライフ』。それは短命ながらも、ビジネスとコンピューターの未来をいち早く見据えた挑戦的な雑誌として、今も記憶に残る存在である。